
近年、1990年後半から2012年くらいまでに生まれたZ世代と呼ばれる若者が成人し、就職活動をするようになりました。
彼らはスマホネイティブ、SNSネイティブであるため、それに合わせ、SNSを用いた採用活動をとる企業が増えています。
しかし、SNSでの採用を検討しつつも「SNSで採用するなんてどうやって?」「採用活動のやりやすいSNSはどれ?」という悩みを持っている人事担当者は多いのではないでしょうか。
この記事ではSNS採用のメリット、デメリットと、各SNSの特徴などを踏まえ、実際にSNS採用を実施している企業例を紹介します。
SNS採用とは?

SNS採用とは、ソーシャル・リクルーティングとも言い、SNS(ソーシャルネットワーク)を利用して、採用活動をすることです。
新卒の年代の若者はSNSを利用して情報収集をしているため、彼らの目に触れやすく、興味を持ってもらいやすい現代の採用スタイルと言えるでしょう。
SNSにはそれぞれ利用者数の多い年代やユーザーの傾向、発信方法などが異なります。
よって、自社のブランディングや採用したい人物像に合わせたSNSの利用が重要です。
SNS採用のメリット

SNS採用には多くのメリットがあります。
- 情報が拡散されやすい
- 採用コストを抑えられる
- 未来の採用候補者とも採用活動開始前から繋がれる
- 企業・求職者双方のミスマッチを防げる
どれもSNSならではの長所で、他の媒体では同じ効果を得づらいでしょう。
それでは、各メリットを解説していきます。
情報が拡散されやすいのはSNSならでは
SNSはユーザーが反応することで拡散されやすいツールです。
フォロワーがいいねボタンを押したり、シェアをすることで、フォロワーのフォロワーへと波状に拡散されていきます。
よって、採用情報を多くの人に見てもらえる可能性があります。
例えば、就職活動をしている学生が良い企業情報を見つけたら気軽に友人へシェアすることもあります。
SNSでは良い情報をシェアするのは当たり前であるため、情報がより拡散されやすい機能とマインドの両方が確立しています。
採用コストをSNS活用によって抑えられる
SNSアカウントは無料で作成できます。
運用するにあたって運用者の人件費などはかかりますが、高額な宣伝費がかかりません。
新聞広告やテレビCM、Google広告などは費用がかかってしまうので、採用コストが積み重なってしまいますが、SNSでは良いコンテンツが勝手に拡散されるので、採用に対する予算が少なくてすみます。
未来の採用候補者とも採用活動開始前から繋がれる
SNSで発信をし続けていると、自社のアカウントに興味を持った人たちがフォロワーになります。
そのフォロワーの中には、将来入社したいと考えている若者がいるかもしれません。
コメントを送り合うことで採用活動中の学生はもちろん、採用するには年齢が若すぎる人たちとも良い関係を築くことができます。
もし自社の発信にコメントをもらえたら積極的に返信しておきましょう。
こちらが丁寧な対応をすることで、相手側に良い印象を与えられ、志望動機に繋がるかもしれません。
企業・求職者双方のミスマッチを防げる
企業は求職者のアカウントや発信内容から人となりを確認でき、求職者は企業の発信からどのような企業風土なのか、社内の雰囲気を知ることができます。
SNS上ではありますが、先にお互いのことを知れるので、入社後に「こんなはずではなかった」と言うミスマッチを防げます。
SNS採用のデメリット

メリットの多いSNS採用ですが、デメリットもあります。
- 運用に時間と手間がかかる
- 炎上するかもしれない
適切な対策をとり、デメリットを回避していくことが必要です。
運用に時間と手間がかかる
SNSのデメリットとして、フォロワーが増えるまで時間がかかることが挙げられます。
フォロワーが少ないと拡散がされづらいので、十分に活用できるまでに時間がかかります。
また、発信し続けないとリムーブ(フォロー解除)されることが多いので、コンテンツ作成の手間もかかります。
SNS採用を始めるなら、最低でも6か月前には運用を開始しましょう。
また、SNSのフォロワーが少ない段階では、社員の個人アカウントで自社の公式アカウントの発信を拡散してもらうのも良い方法です。
炎上するかもしれない
SNSでは、自社の発信を不特定多数の人が見るため、悪意のある書き込みなども出てきます。
そのため、SNS運用の担当者にはネットリテラシー(インターネットを正しく使う能力)が必要です。
炎上リスクを考慮し、誰も攻撃せず中立的な立場での発信が求められます。
しかし、どれだけ注意しても、ふとしたきっかけで炎上する可能性があるので、複数人で発信のチェックを行うことが大切です。
採用に活用できるSNS

SNSにはいくつかありますが、採用活動に適切なSNSはどれでしょうか。
- YouTube
- LINE公式アカウント
各SNSのユーザー層や発信方法が異なるため、自社のブランディングや事業内容に合うSNSを選びましょう。
この章では、各SNSの特徴などを解説していきます。
Twitterは140文字のテキストや4枚までの画像などで発信するSNSです。
いいねやリツイートで発信が拡散されやすい反面、炎上のリスクも多くなるので、発信には注意が必要です。
Twitterでは企業の「中の人」と呼ばれる人の魅力あるキャラクターを作って発信する企業が多いです。
「中の人」の本音が垣間見える発信や、会社でのリアルな発信、専門的な情報を発信することで、自社との相性が良い人と出会える可能性があるでしょう。
Twitterでは、20歳代~30歳代のユーザーが多く、新卒採用専門アカウントを作っている企業も多いです。
Facebookは実名を登録するSNSですので、情報に信頼性があります。
また、実名で発信することで炎上のリスクが他のSNSよりも低いと言われています。
Twitterよりも入力できるテキストの文字数が多いので、一投稿の情報量が増やせるのもメリットです。
Facebookに採用ページを作成することで、採用に関する情報発信を一元化できます。
求職者用の動画やセミナー情報などをまとめて掲載できるので、求職者にとっても便利ですね。
Facebookは若年層のユーザー離れが多いと言われていますが、30歳代以上のユーザーが多いので、中途採用に向いています。
Instagramは写真や動画で訴求するSNSで、テキスト以上に自社の魅力を伝えやすいツールです。
社内の様子をインスタライブにしても良いですし、普段の発信と絡めて社員からのメッセージなどを入れると、求職者の目にも止まりやすくなるでしょう。
拡散性は低いので、うまくハッシュタグを使用し認知を挙げることが必要です。
Instagramのユーザーは20歳代が最も多く、女性の使用が目立っています。
YouTube
YouTubeは動画を発信するツールです。
社員インタビューや、動画で社内を案内もできますし、自社のブランディングにも最適です。
社員の顔が見えたり、声を聞いたりすることで、より親しみを感じてもらえますね。
動画撮影や編集、コンテンツの作成などに時間はかかりますが、1つ作ってしまえば、オフラインの企業説明会などでも利用できるので一石二鳥です。
どの世代のユーザーもいるので、新卒採用に向けた動画、中途採用に向けた動画など、分けて作成するのも求職者にとってはありがたい工夫でしょう。
LinkedIn(リンクトイン)
LinkdInはビジネス特化したSNSです。
ビジネス関係者をフォローし合い、フォローした人の投稿がタイムラインに流れたり、DMを送信できたりする機能は、他のSNSと変わりません。
本名を登録する部分はFacebookと似ていますが、ビジネスに関する投稿をするSNSだという部分に大きな違いがあります。
また、LinkedInでは、企業のページを作成し、そこから採用情報の発信が可能であり、ユーザーをDMでスカウトもできます。
他のSNSでスカウトをすると何かの営業ととられがちですが、LinkedInはもともとスカウトする土壌があるため、メッセージもちゃんと読んでもらいやすいですね。
まだ日本では利用者が少ないですが、世界中の能力あるビジネスパーソンと繋がることができるSNSなので、今後注目される可能性は高いです。
LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、友だち追加してくれた登録者にメールマガジンのように定期配信をしたり、企業説明会や面接などの予約申し込みにも使用できます。
LINEは全世代が日常的に連絡手段として使うSNSですので、メッセージに対して反応してもらいやすく、面接日時を決めるやり取りなどは電話やメールよりもLINEの方がしやすいでしょう。
ただ、友だち追加をしてもらわない限り、こちらから発信することができません。
いかに友だち追加してもらうか、LINE公式アカウントの宣伝が必須になります。
SNSを利用した企業の採用活動例

実際にSNSを利用して採用活動をしている企業の例を紹介します。
どの企業も求職者目線で役に立つ情報発信を心がけていますが、SNSによって発信方法は様々です。
自社ではどのSNSが良いか決める際の参考にしてください。
株式会社サイバーエージェント(Twitter活用例)
株式会社サイバーエージェントは、Twitterでビジネスコース採用やエンジニア採用、ゲーム採用などの公式アカウントを運用しています。
人事担当者の個人アカウントも多く、公式アカウントの発信の拡散ができるとともに、リファラル採用(社員からの紹介)も期待できます。
採用アカウントでは、大学生への無料講座や採用イベントなどの宣伝や、採用基準に関する動画リンクなどの発信が多いです。
ソフトバンク株式会社(Facebook活用例)
ソフトバンク株式会社は新卒採用ページをFacebookに作っています。
プレスリリースやブログの紹介などがタイムラインに投稿されており、動画では社員インタビューやソフトバンク株式会社の事業紹介などがあります。
写真でもオフィスの様子を投稿されているので、会社に親しみが持てます。
三井住友カード株式会社(Instagram活用例)
三井住友カード株式会社は、Instagramを採用活動に利用しています。
社員インタビューでは、1日のスケジュールや仕事内容、本人からの動画メッセージを投稿しており、親しみやすい雰囲気です。
また、内定者が就職活動のアドバイスをする投稿や、事業やサービスなどの投稿もあり、求職者にとって役立つ情報が多いですね。
DMMグループ(YouTube活用例)
DMMグループはYouTubeを用いて新卒の学生にアピールをしています。
会社説明の動画や各部署の社員が登場する職種説明がわかりやすく、入社後のイメージがつきやすいです。
社員本人が登場するのも求職者にとっては親しみが持て、内定辞退を防ぐ役割もあります。
人事だけで採用活動をするのではなく、他部署の社員にも協力してもらうことで、中身の濃いコンテンツを作成できます。
SONYグループ(LinkedIn活用例)
SONYグループはLinkedInに企業ページを作成し、求人を出しています。
どのような人材が必要なのか、業務内容、入社後のポジションとキャリアパスなどが詳しく書かれており、志望者に親切な求人です。
LinkedInは世界中のビジネスパーソンが見るため、英語の求人もあるのが特徴の1つです。
株式会社ニトリ(LINE公式アカウント活用例)
株式会社ニトリは、新卒採用のLINE公式アカウントを開設しています。
インターンシップの紹介と申し込み受付をする「ニトリシティ」や、ニトリの社員が仕事内容を紹介する「ニトリン」など、新卒採用に関するコンテンツが盛りだくさんです。
すべてLINE公式アカウントのリッチメニューから見ることができ、必要な情報をすぐに取り出せるようになっています。
今の時代、採用活動にはSNSが必須!
SNS採用について、メリットとデメリット、各SNSの特徴と企業例を紹介しました。
SNSは自社を知らない求職者にまで発信が届く可能性があり、SNSで採用活動をすることで新たな人材の発掘ができるかもしれません。
また、SNSの企業アカウントも増加傾向で、今後ますますSNSの重要度が増すと考えられます。
今後の採用活動を充実させるためにも、SNSを利用した採用活動をぜひ検討してみてください。
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