D2Cの特徴とは?6つの事例から学ぶ成功のポイント

最終更新日: 2021/12/14 公開日: 2021/11/27

D2Cとは、商品の開発から販売、顧客とのコミュニケーションにいたるまで、すべてを自社で行うビジネスモデルです。なかでもECサイトで、自社製品を直接消費者に販売することを指します。

コロナ禍によって通信販売のニーズが高まり、注目を浴びるD2Cモデル。顧客データが収集しやすく、仲介コストが抑えられるなどのメリットから、市場規模が拡大傾向にあります。

この記事ではD2Cの特徴、メリット・デメリットを解説。D2Cブランドの成功事例についても触れていきます。

「リピーター、ファンを増やしたい」という課題を抱えている経営者の方、ECサイトを運営しる方はこの記事を参考にしてくださいね。

D2Cとは「企業が消費者に直接販売すること」

D2C(Direct to Consumer)とは、企業が消費者に直接販売するビジネスモデルです。小売店、広告代理店などの中間流通を介さずに、自社製品やサービスを直接消費者に届けます。

D2Cモデルの特徴は、顧客を買い手として捉えず、自社と一緒にブランドを育てていく仲間として考えることです。

またD2Cと似た言葉にはB2BやB2Cがありますね。D2Cとは取引相手、売上までの方法が異なります。くわしく見てみましょう。

D2Cの特徴|買い手・売り手を区別しない

D2Cは「顧客と一緒にブランドを育てるもの」と捉えるビジネスモデルです。「商品を提供する相手=顧客」という、従来の考え方とは異なります。

商品を購入したら終了する関係ではなく、より関係性を深めていくことがD2Cの特徴。

顧客とのコミュニケーションの中で、反応や感想をもとに商品の改善、新たな商品開発のヒントを得ることが可能です。

顧客はSNSなどにより商品情報を拡散、口コミを生み出します。

自社が売り手、顧客は買い手と区別しないことで、顧客との良好な関係を築き、LTV(顧客生涯価値)が積み上げられていくのです。

LTVに関しては、以下の記事を参考にしてください。

B2B・B2Cとの違い

B2BB2Cは、D2Cと似た言葉です。D2Cとの違いは、取引相手、取引の関係性にあります。

B2B(Business to Business)とは、企業間取引のビジネスモデルです。D2Cの取引相手が消費者であることに対し、B2Bでは企業が企業に向けて商品を提供します。

B2Bではテレマーケティング、リスティング広告などの直接的なアプローチによって集客することが多いでしょう。

またB2C(Business to Consumer)とは、企業が消費者に直接提供することです。

D2CとB2Cは、どちらも直接商品を消費者に届けるビジネスですが、売上までの方法が異なります。B2Cは既存の販売経路にECを追加し、広告などのマスマーケティングを活用して販売する方法です。

一方D2Cは、他のメディアを介さず、自社だけで販売まで行います。

D2Cのメリット

D2Cのメリットは以下の3点です。

  • 利益率が向上する
  • 販売の自由度が高い
  • 顧客データを集めやすい

くわしく見ていきましょう。

利益率が向上する

D2Cは製造から販売まで自社で行うため、高い収益性が見込めます。

たとえばAmazon、楽天市場などの通販プラットフォームに出店すれば、手数料がかかるでしょう。しかし自社のECサイトを開設し、消費者に直接販売する場合は手数料がかかりません。

また小売店、代理広告店などを挟まないため、流通にかかる費用も削減できます。これにより自社の利益率が向上するため、効率的な販売が可能です。

販売の自由度が高い

自社のECサイトを開設すれば、自由な販売方法を取り入れられるでしょう。自社独自のキャンペーンを打ち出し、消費者と直接コミュニケーションを取ることで、良好な関係性を構築できます。

またすべての工程を自社が行うD2Cであれば、リーズナブルな価格設定も可能です。他社との差別化にも役立ちます。

顧客データを集めやすい

D2Cは小売店を介して販売する場合よりも、消費者との距離が近いビジネスモデルです。そのため、顧客データを集めやすい特徴があります。

もし購入されなかった場合でも、以下のような情報が手元に残ります。

  • ECサイトに訪れた見込み客がどのくらいページに滞在したのか
  • ページを離脱した原因は何か

収集したデータをもとに改善を繰り返し、よりよい商品開発に活用できます。

D2Cのデメリット

D2Cのデメリットは、主に2点です。

  • 商品力が必要
  • コスト・時間がかかる

D2Cは、長期的なスパンで取り組むビジネスモデルです。立ち上げたばかりの事業であれば、短期間で成果につなげることが難しいとされています。

D2Cを取り入れる場合、一般的には長期に及ぶ施策として打ち出す企業が多いでしょう。

商品力が必要

D2Cは、商品力があることを前提とした施策です。商品力とは、商品そのものが持つ価値のこと。

たとえばAmazonや楽天市場などの通販プラットフォームでは、そのプラットフォームが宣伝や集客を行ってくれます。しかしD2Cの場合は、商品の開発から販売まで、すべて自社で実施しなければなりません

ゼロから始めるビジネスは、認知度やブランド力がゼロの状態です。自社製品に十分な価値があったとしても、その魅力が消費者に伝わらなければ商品を売ることが難しいでしょう。

コスト・時間がかかる

D2Cはファンを育てながら、認知度やブランドを高めるビジネスモデルです。商品の価値を消費者に伝えるための広告、キャンペーンの打ち出しなどの費用がかかります。

また時間がかかることもデメリットです。新たに立ち上げたビジネスが軌道に乗るまでは、ある程度時間がかかるものと捉えて実行しましょう。

国内・海外のD2Cブランド|5つの成功事例

ここでは国内、海外におけるD2Cブランドの成功事例を紹介します。

紹介するD2Cブランドは、以下の5つです。

  1. 食品:BASE FOOD(ベースフード)
  2. アパレル:COHINA (コヒナ)
  3. メンズコスメ:BULK HOMME(バルクオム)
  4. フィットネス: Peloton(ペロトン)
  5. 寝具:Casper(キャスパー)

さっそく見ていきましょう。

BASE FOOD(ベースフード)|新たな切り口・顧客体験

画像参照元:BASE FOOD公式HP

国内の食品メーカーから事例を見ていきましょう。

BASE FOODが販売している商品は、健康管理を課題に掲げる多忙な現代人を対象とした完全栄養食です。

従来の食事に対する考え方は「必要な栄養は副食で補う」というものでした。

しかしBASE FOODは「栄養を主食として摂る」という切り口で商品を販売。毎日の主食で必要な栄養を摂ることができれば、手軽に健康を保持できると考えたのです。

そこで実施したのは、Twitterを活用した体験型イベント。内容は「1ヶ月で20食をBASE FOODに置き換えてツイートする」というものです。

このイベントでは、管理栄養士による食事のアドバイス、BASE FOODの商品に合う調味料のプレゼント企画などが行われました。

このように、BASE FOODは顧客との関係性を重視しているのです。売ったら終わりという関係ではなく、一緒に商品を作りあげる仲間として考え、ファンを増やし続けています。

COHINA(コヒナ)|ニッチなターゲット設定

画像参照元:COHINA公式HP

国内のアパレルメーカーCOHINA(コヒナ)のターゲットは155cm以下の小柄の女性。そのコンセプトは、小柄な女性にぴったりサイズの洋服を提供することです。

COHINA誕生のきっかけは、アパレル業界未経験者の小柄な女性2人による洋服選びの悩み。

「自分たちと同じように悩む女性に、ぴったりサイズの洋服を提供したい」という願いから生まれたアパレルブランドがCOHINA。2018年の創業から3年後、2021年には月商1億円のブランドへと急激な飛躍を遂げました。

急成長の要因は、毎日実施した身長155cm以下のスタッフによるInstagramのライブ配信です。

ライブ配信では、自社の情報を一方的に伝えるのではなく、ユーザーとの意見交換を重視。さらにユーザー同士の交流によって、ファンの輪が広がりました。

COHINAはターゲットを絞り、共感と情報交換によってファンを獲得したD2Cブランドの成功事例です。

BULK HOMME(バルクオム)|ブランドイメージの確立・デジタル戦略

画像参照元:BULK HOMME公式HP

BULK HOMME(バルクオム)は、男性向けスキンケア商品の国内ブランド。D2Cという概念がまだ広まっていなかった2013年の日本で、D2Cモデルのスタートアップに成功した事業の代表格です。

高水準な品質、デザイン性などのブランドイメージを確立したBULK HOMME。売上のメインは、サブスクリプション型のオンライン購入です。

商品を継続購入してもらうために、LINEのチャットボットを活用し、顧客との接点を築きました。

またコールセンターによる解約の抑制も継続購入施策の1つ。コールセンターのオペレーターとのコミュニケーションを、顧客体験の1つと捉えたのです。

顧客から寄せられた生の声を製品開発に活かし、サブスクリプション型事業では欠かせない、LTV(顧客生涯価値)の向上を目指した事例です。

ブランドイメージを構築し、デジタル戦略に打って出たBULK HOMME。現在はマスマーケティングも取り入れ、グローバル展開しています。

Peloton(ペロトン)|顧客情報の把握+気遣い

画像参照元:Peloton公式HP

ここからは海外のD2Cブランドを紹介します。

 2012年創業のPeloton(ペロトン)は、ニューヨーク発のオンラインフィットネスサービスです。顧客データを活用したコミュニケーションを行い、ファンを増やしました。

たとえば、プログラム中の講師によるひと言。

「今日は〇〇さんが参加して100日目!みんなで応援しよう!」

大勢の会員たちの中でこのように激励され、喜びを感じない人は少ないのではないでしょうか。これは顧客情報の把握と気遣いがなければ実現できません。

リアルの接点に重きを置き、会員の心を動かすコミュニケーションを取り入れたことで、解約率の低減に成功した事例です。

Casper(キャスパー)|体験の提供・顧客情報の管理

画像参照元:Casper

Casper(キャスパー)は品質にこだわった寝具、マットレスを販売するニューヨーク発のメーカーです。

2013年の創業当初は、ECサイトからの購買に注力していたCasper。その後「独自の世界観を顧客に体験してもらうためには店舗が必要だ」と考え、2018年から実店舗を展開しています。

また寝具の販売と同時に睡眠状態を計測するトラッカー、睡眠サポートアプリを開発しました。これにより、顧客情報を管理することに成功。顧客との定期的なコミュニケーションを図ったのです。

さらに、生活や健康に焦点を当てた雑誌「Wooly」を創刊。Woolyはデジタルと紙面を媒体に発行しています。

オフラインとデジタル戦略を融合することで、買い替え頻度が低い寝具の販売に成功したCasper。寝具の販売だけでなく、睡眠を中心としたライフスタイルを提案することで成果を上げたのです。

D2C成功のポイント

紹介した成功事例をもとに、まとめたポイントは以下のとおりです。

  • SNSは「コミュニケーション手段」として活用する
  • 「機能+○○」を提供する

D2Cは、消費者と直接コミュニケーションを取るビジネスモデル。

一方的な情報発信のためのツールではなく、顧客とのコミュニケーションするための手段としてSNSを活用することがポイントです。

商品に対する意見やニーズを収集できるため、今後の施策、よりよい商品の開発に役立ちます。

また商品そのものを販売するのではなく、購入後の未来を提供することに重点を置きましょう。

従来の販売スタイルでは、「商品の機能=価値」として提供されてきました。しかし現在は、多様なニーズに応えてこそ価値が感じられる時代。

アフターサービスや顧客体験、有益な情報などの付加価値をつけることが、顧客の満足度につながります。

D2Cの成功には商品の価値・世界観の明確化が不可欠!

D2Cは、顧客と一緒にブランドを育てていくものと捉えるビジネスモデルです。

D2Cモデルのポイントは、商品の機能に加えて、消費者が自社の商品を購入することで得られるものは何かを明確にすること。

顧客に満足してもらえる機能を充実させた上で、世界観を明確にし、共感を生むブランドを確立させることが大切です。

顧客が魅力を感じる商品を販売するためには、自社ならではの価値を確立することが重要。商品が持つ世界観、使用後に得られる未来を明確することで、共感してくれるファンを増やしましょう。

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