
昨今、テクノロジーの進化が進み、多種多様な顧客接点が増えるなか、いかに顧客ニーズを理解したうえで適切なマーケティングを実行していけるかが重要視されています。
そして、マーケティングはテクニックだけのことを指すのではなく【価値を提供すること】が最重要ポイントとなります。
いい商品やサービスを開発しただけでは、現代の競争社会で生き残っていくことは難しいです。
今回の記事は、マーケティングの目的と顧客のニーズを深く知るための3つのポイントや基礎なども含めて徹底解説していきます。
マーケティングの目的

マーケティングの目的は、顧客に「価値を売る」ことです。そして、自社製品やサービスの適切な価値を知るために行います。
マーケティングは、単に商品やサービスを売るためだけのテクニックではありません。
顧客の求めているものを商品開発の前に精査し、他社との差別化や流通ルート、コストや価格などを把握しながら決めなければいけません。
決めたうえで、「価値」を売ることが重要なのです。
また、広告などで宣伝が成功して需要が急増したとしても、供給する能力を伴わないと、顧客が欲しいタイミングで価値を提供できなくなってしまいます。
このような、プロモーションのバランスを図ることがマーケティングの目的といえます。
・商品を販売 = 価値の提供
商品はあくまでカタチになった「提出物」で、価値の一部。
実際に顧客が受け取るのは、商品の価値・質、サービスを含めた「統合的な価値」です。
・顧客が欲しいタイミングで製品提供するための、需要と供給とプロモーションのバランスを図る。
価値提供について
企業が商品やサービスを顧客に売る際に気をつけていただきたいのが、機能や値段だけに目を向けるのではなく「どんな価値を提供していくか」にフォーカスすることです。
この価値は、組み合わせることが最重要ポイントとなります。
この価値の組み合わせのことをバリュー・プロポジションといいます。
例えば、吉野家であれば「うまい、やすい、はやい」という価値の組み合わせ(バリュー・プロポジション)によって多くの顧客から支持されています。
バリュー・プロポジションとQSP
この価値を考察していくうえで大切なことは、Quality(品質)、Service(サービス)、Price(価格)の【QSP】のバランスを取ることが不可欠になります。
要は、質が高くサービスが丁寧で価格も安いとなれば顧客価値は向上しますが、価格が高いのに質が低い、または質が高くてもサービスが著しく悪いといったことがあれば顧客が感じる価値は低くなります。
このQSPのバランスがバリュー・プロポジションを考えていくうえで重要ポイントです。
マーケティングの基礎

ここからは、マーケティングの基礎をご紹介していきます。
マーケティングでは、顧客ニーズを正確に把握する必要があります。
いくら商品やサービスの宣伝をして認知度を高めたとしても、実際にその商品やサービスの価値、価格帯などが顧客ニーズに合わないものでは何の意味もありません。
下記を取り入れ分析を行なっていきましょう。
マーケティングフレームワーク:R-STP-MM-I-C
これは、マーケティングの神様と呼ばれているフィリップ・コトラーが提唱しています。
・STP (Segmentation )(Targeting )(Positioning ) =【細分化、対象限定、差別化】
・MM (Marketing Mix) =【マーケティングミックス】
・I (Implementation ) =【実行】
・C (Control) =【改善】
【情報収集】:製品開発の前に顧客のニーズや競合他社との差別化のために、さまざまな情報を収集してベストな選択をしていきます。
【細分化、対象限定、差別化】
- セグメンテーション
- 特徴におおじてグループ分けしてニーズを把握する
- ターゲティング
- 自社自体、また自社製品の強みを踏まえて絞り込む
- ポジショニング
- 競合他社が狙っていれば差別化して無駄な競合を避ける
リサーチ後には、空振りしないように具体的な顧客層を決めましょう。
【マーケティングミックス】:製品、価格、流通、販促の4Pをはじめ、顧客へのアプローチ方法を検討します。
また、どのように販売していけば顧客のニーズを呼び起こして、たくさん価値提供することができるのか4Pを使用して計画立案していきます。
【実行】:販売を実現するための具体的な手段を決めていき、実行していきます。
それぞれのチャンネルで販売計画を実行に移していきましょう。
【改善】販売したあとに、結果に基づいて更に売れる商品にするための調整や改善を行っていきます。
ここで、思ったよりも売れなかった...などと思うのであれば、もっと売れるためにどうすればいいのか?と “R (Research) =【情報収集】”に戻り再度考察していきます。
顧客ニーズ5つの階層

続いて、顧客のニーズを理解することは重要ですと解説してきましたが、顧客ニーズには5つの階層があります。
「スニーカーが欲しい!」と思っている顧客を事例にあげ解説していきます。
①明言されたニーズ | 動きやすいスニーカーが欲しい。 |
②真のニーズ | デザインがカッコよくて、価格も手頃なスニーカーが欲しい。 |
③名言されないニーズ | 豊富な種類から選びたい。 |
④喜びのニーズ | 割引きやおまけ、特典等があれば嬉しい。 |
⑤隠されたニーズ | SNSにアップしたら沢山のいいね!が貰えたら嬉しい、インスタ映えしたい! |
このように、顧客ニーズを「①明言されたニーズ」→「②真のニーズ」→「③名言されないニーズ」→「④喜びのニーズ」→「⑤隠されたニーズ」の5つの階層に分けることができます。
意外と顧客自身がニーズをはっきり意識できていなかったりするので、ニーズをしっかりと5つの階層に分けてみましょう。
顧客ニーズの3つのポイント
必要とされる適切な商品とは何か、つくるべき商品は何か、多角的な視点で商品に対する考えを深めるためにも下記のポイントは重要です!
・ニーズ:個人的な必要性のこと。
・欲求:ニーズを具現化したもの。
→(こんなものが欲しいと具体的な欲するモノを指す)
・需要:予算のこと。
ポイントとして、【ニーズ】【欲求】【需要】と3つに区別して顧客ニーズを考察することが重要です。
ニーズとは、例えば「美味しいものが食べたい」といった顧客側に生じた生理的、社会的、個人的な必要性のことをいいます。
これは、マーケティングによって欲求に変化させることができます。
欲求とは、ニーズを満たすための顧客が「〇〇が欲しい」と思う欲求のことです。
これはマーケティングによって作り出すことが可能です。
需要とは、商品やサービス自体の需要を指しています。欲しいと思っていても、予算が相応でなければ購入ができません。
顧客にとって実現可能な需要が必要です。
このように、【ニーズ】【欲求】【需要】の違いをしっかり把握し、顧客ニーズを細分化し理解を深め、訴求するポイントはどこかを考察していきましょう。
顧客ニーズをしっかりと正確に捉え洗い出したあとに、マーケティングを行っていく必要があります。
まとめ
マーケティングの目的は、顧客ニーズをしっかりと理解し、商品やサービスの“価値”を提供することです。
商品やサービスは、あくまでカタチになった「提出物」で、価値の一部にすぎません。
実際に顧客が受け取るのは、商品の価値・質、サービスを含めた「統合的な価値」です。
そして、統合的な価値をベストタイミングで顧客に提供するため適切な分析を行っていかなければいけません。
この価値提供をするために顧客のニーズをしっかり理解したうえで、マーケティングを実行していきましょう。