
現代では、webサイトの運用やwebマーケティングを行うなかで、UXの重要度は高まっています。しかし、UXとは一体なにかということを理解できていますか?
また、重要なことは分かっていても「なかなかUXが向上できていない...」という方でさえも、この記事をお読みいただければ、向上させるためのポイントと3ステップを徹底解説します。
UXにおいて顧客への「共感」は最重要になります。ステップ踏んでいきUXを向上させましょう!
UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?

UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略語で商品やサービスを通して得られる全ての顧客体験のことをいいます。
「ユーザー経験」「ユーザー体験」ともいわれており、あらゆる商品やサービスに対して感じる“利便性”、“感動”、“印象に残る”などといった経験・体験も全て含まれます。
【商品やサービスを売る】ではなく【体験を売る】ことは、良い製品が溢れている現代では重要視されています。
webサイトでのUXの例
- 商品ページのレイアウトは見やすいか
- 色使い、文字の大きさ、文章のまとまり
- 必要な情報がきちんと表示されているか
- ボタンやリンクの押しやすさ
- お問い合わせフォームなど入力が簡単であるか
- 悩みの解決、関連性の高い情報も入手でき親切な動線設計
- 画像の表示速度が速く、快適なサイトか
webサイト以外でのUXの例
- 缶コーヒーではなく高い値段を出して落ち着くカフェに行く体験
- iPhoneの画面ロックの解除方法が楽になり、尚且つ精度が高くなった
- スーパーの試食提供をする従業員からの興味深い接客体験
- Apple製品のAirPods Proはデザイン性だけではなく、周囲の環境音を遮断する性能を搭載したため集中できる環境を体験できる
- Amazonは品揃えだけではなく、配送スピードも速い
など、これら全てがUXといえます。
UI(ユーザーインターフェース)との違いとは?

UXとUIの違いは何かを解説していきます。
UI = 接点・接触面(顧客と製品をつなげる窓口のようなもの)
UIとは、「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略語で「Interface」は「接点」や「接触面」を意味します。要は、ユーザーと商品を繋げている接点・目に触れるモノすべてのことをさします。
分かりやすいイメージですと、テレビと人をつなぐものは、「リモコン」です。リモコンは、テレビとユーザーを繋げている「モノ」になります。
UIの例
- webサイトのレイアウト、デザイン、申し込みボタン
- ECサイトの文言
- 文字の大きさ、フォント配色によるアプリの見やすさ
- サイト内検索機能(優れたアクセシビリティ)
- 見やすい画像・動画の作成
上記がUIに含まれます。
このように、デザインが分かりやすいことや見やすい(UIが優れている)ことからUXの向上につながります。UIを向上・改善しないと顧客の心を掴むことができないということです。
UXを向上させるポイント

UXを向上させるためのポイントを解説していきます。
まずは、UXを向上させるために重要なことは、まず自分たちが顧客に「共感」することです。
商品やサービス自体の価値、体験価値など自身の視点で判断や決定をしてしまいがちです。でも、実際に購入・利用してくれるのは顧客です。
自分視点で判断してしまうと顧客の状況や潜在意識にあるニーズを理解できません。良い製品を生み出すだけではなく、顧客の気持ちを理解することがポイントです。
例えば、「顧客はどんな人?」「本当はこの商品を使って何をしたい?」「この体験でどんな気持ちになっている?」など分析が必要です。
ここからは、共感を生み出すステップをご紹介します。
ステップ1:顧客分析
まずは、顧客(ユーザー)がどのような人なのかを分析していきましょう。
そのためにペルソナを設定します。マーケティングにおいて重要視されている誰に何を売るのかの「誰に」がペルソナになります。
BtoC企業であれば、実際のデータを徹底調査し、年齢、性別、職業、地域、抱えている悩みや課題、何に興味があるのか、全体的な行動パターン、趣味などすべて洗い出しましょう。
BtoB企業であれば、企業規模、部署、役員、属性情報などを分析しグループに分けるのもいいでしょう。
ステップ2:全体像の把握
顧客が商品やサービスにたどり着くまで(まだ認知していないところ)、どのような体験をしているのか明確にしましょう。つまり見込み顧客の購買行動を認知するということです。
このことを、マーケティング用語で「カスタマージャーニーマップ」といいます。顧客が商品やサービスを利用する際の体験を見える化(可視化)することで、顧客の理解をさらに深めるために行います。
BtoBマーケティングの場合、見込み顧客を見える化してリードの獲得や契約、受注までの見込み度合いを向上させるために活用します。
①作成の「目的」を明確化する
→体験から問題点を見つけること?思い描いている体験を設計すること?等
②全ての体験を可視化する
→利用されている期間だけではなく、利用前、利用後も含めて一連の流れを作成しましょう。
また「どんな手段でセミナー集客するのか」や「どのようにリードを獲得するのか」、「どんな営業するのか」といった“売り方”の考えをやめ、「顧客がどんな風にサービスを契約をするのか」という“買われ方”を考察することが重要となります。
ステップ3:どのように感じているのか
上記を洗い出したあとは、顧客がどのように感じているのか自分自身が顧客視点に立って商品やサービスを体験、体感してみましょう。
つまり、顧客になりきって商品やサービスを購入し実際に利用した際に、感じたこと、発見したことを記録に残し改善点を把握します。
上記の手順で、顧客への共感を高めていくことができます。実際に購入・利用してくれるの顧客のことを理解できているのか再度、見直していきましょう。
UX向上の成功事例

ここからは、UXを向上させた企業事例をご紹介します。
クックパッド

月次利用者数約5,800万人・掲載レシピ数350万品以上にものぼり、日本最大の料理レシピ検索・投稿サービス「クックパッド」。
UXの向上のため「ユーザーファースト」の取り組みを行い、実際に料理を作ってみて感じたことを自分自身で可視化する活動を行いました。
先程解説した、【ステップ2:全体像の把握】をしっかり行った事例です。
- 「このボタンの配置だと手が濡れている時に押しにくいな...」
- 「仕事から帰ると22時以降...料理する気持ちになれない...」
など、ユーザー視点に立ち、画面のボタン配置だけではなく上記のような時でもモチベーションが上がってくれるサービスになっているのか確認も行っています。
また、料理を作る人に優しい体験を与えることが本当に良いのか?ということにも気づき、簡単に答えを与えてしまうだけではユーザーの満足感や達成感を得られないなと気づきました。
そのため、ユーザーの意志で選択できる余地を残しておくことを意識しています。
例えば、少し自分の料理レベルがアップしたような体験をさせることで達成感があり人間の「何か挑戦したい!」という願望も満たされます。
このユーザーの流れを可視化し意識することで、UX向上につながっています。
参考インタビュー:「UX」という言葉が聞こえないクックパッドのサービスデザインとは?
株式会社フェリシモ

株式会社フェリシモは、自社開発によるファッション、生活雑貨、ホビー商品、美容関連商品、食品の販売を行っている企業です。
ECサイトで、休眠顧客の再利用を促すために郵便やDM送付の活動を行っていました。しかし、成果は思うようには上がりませんでした。
そこで、DMを送ったユーザーの行動を分析したところ以下のことが分かりました。
- DMを送付したユーザーの中からサイトへの訪問は多くいた
- キャンペーンを利用しようと行動はしていた
- ログインする時に、パスワードを忘れていることが多くあった
- パスワードリマインダーに問題がある
- ログインできないユーザーは新規ユーザー登録して購入にいたっていた
つまり、課題は「パスワードのリマインダー改善」ということに気づいた結果、改善を行いました。
これにより、年間で1万人の離脱防止、また忘れたパスワードの照会に成功した顧客も2万人増加しました。
このように、タッチポイントの見直し、UXを改善したことで大きな成功を遂げています。
参考インタビュー:「あらためて顧客理解に注力する」創業54年のフェリシモに社内の巻き込み方を聞く
Coke ON

日本コカ・コーラ株式会社が提供するスマホアプリ「CokeON」。3,000万ダウンロードを突破しています。
スマートフォンを利用してドリンクを購入するとスタンプが貯まるシステムです。15個貯まると無料でドリンクがもらえるという特典もあります。
また、「歩いてもスタンプが貯まる」「毎月定額で好きなドリンクがお得に飲める」などを導入することで外出そのものを「楽しい」と思ってもらえるようにUXにフォーカスした機能が特徴です。
顧客体験で「スタンプを貯める」というゲーム感覚を味わってもらうことで「喜び」「達成感」を感じれるポジティブな体験ができることで成果がでています。
参考記事:自動販売機の顧客体験を再構築
まとめ
UXを向上させるためには、まずは顧客のことを理解し「共感」することがポイントになります。
成功事例でも挙げたように、徹底的に顧客目線に立ち顧客体験を自身で体感しています。また、分析を行った結果、改善をするポイントが違ったことにも気づき成果に繋がっています。
商品やサービスを売るのではなく印象に残る「体験」を提供することでUX向上につながり、ビジネスを成功するための重要な鍵となります。
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