ビジネスで見落せないLTV(ライフタイムバリュー)の計算がわかる5つのポイント

最終更新日: 2022/12/12 公開日: 2021/10/29

マーケティングにおいて大切になるLTVLife Time Value)。以下LTV(ライフタイムバリュー)と言い、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。

LTV(ライフタイムバリュー)とは、顧客との取引の中でどれほどの売上につながったかを表す指標です。

重要な4つの項目をご案内させていただきます。

  • 顧客単価
  • 収益率
  • 購買頻度
  • 顧客の獲得や維持にかかるコスト

LTV(ライフタイムバリュー)の価値観は、ビジネス構築において何よりも重要な価値観となります。

この記事を通じてLTV(ライフタイムバリュー)の計算方法を知っていただき、大切なポイントをつかみ、ご活用いただけましたら幸いです。

LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法の基礎

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LTV(ライフタイムバリュー)というのは以下の計算式によって表されます。

LTV=顧客単価×収益率×購買頻度×取引期間-顧客の獲得・維持コスト

1つずつの言葉の意味についてご説明します。

顧客単価の計算方法

顧客単価は次のような計算式で計算されます。

顧客単価とは顧客1人が1回の購入によって支払う平均額のことを指します。

顧客単価=売上÷客数(購買者数)

例えば500円のコンビニ弁当をAさんが2つ、Bさんが1つ注文した場合には、次のような計算式になります。

顧客単価=(500×2+500×1)÷2(人数)=750円

飲食店をはじめどんなビジネスでも、売上は客数×顧客単価で決まります。つまり、売上を上げるためには客数を増やすか顧客単価を上げることが大切になります。

顧客単価とは顧客1人が1度でどれだけ使ってくれたかを表すことになります。

顧客単価を分析することで得られるメリット

経営において一人のお客様がどれだけ売上をくださるか、その指標の見方を知ることは本当に重要です。

年・月・週毎に顧客単価の分析を行うことで次のようなことが分かるようになります。

  • 商品の価格は適切か
  • 購入数は足りているか
  • 時間帯・季節に合った商品か

開業前と後だと、事前に予測して計算した内容とずれることが多いです。

企業の弱みを発見し、大きな売上アップにつなげるためにも定期的な顧客単価の分析を取り組んでいきましょう。

もちろんですが、時間帯や季節などによっても売れる商品が変わりますので注意が必要になります。

店舗のブランディングもしやすくなる

顧客単価の分析は、お店の価値が顧客に伝わっているのか把握する手段にもなります。

飲食店を例に出させていただきます。

かつ丼などのサイドメニューとしてサラダの提供に力を入れているとします。

「注文数も顧客単価もなかなか上がらない」という場合、セットメニューを出して、一度の来客において注文単価を上げることを意識することが大切になります。

その他にも「安売り目当てのお客様ばかり」など売上だけを見ていては気付かなかった、注文数の変化や商品の単価に気付くこともあることでしょう。

このような視点は、お店や企業のブランディング構築の際、客観的に価値を判断するために重要な指標だと判断しております。。

間違いやすい利益率の計算方法で押さえておきたいポイント

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まず「利益率」とは「売上」に対する「利益の比率」のことを言います。

利益には以下の5種類があるとされております。

  1.  営業利益
  2.  売上総利益(粗利益)
  3.  経常利益
  4.  税引前利益
  5.  当期純利益

特に重要で判断材料に使われるのは、営業利益と売上総利益(粗利)だとされております。

3.~5.はもう少し深い会計処理に使われるため、今回の記事では割愛いたします。

利益率を算出するときの注意点

利益率はシンプルに次のように計算できます。

利益÷売上×100=利益率

ここから営業利益売上総利益についてお伝えいたします。

1. 営業利益

営業利益とは

「売上」から「商品を売るための費用(商品原価・人件費・家賃・広告費など)」を引いたときに出る利益

例えば飲食店で一日の売上が300万円だとしても、食材費や人件費などの価格が250万かかった場合には「営業利益50万円」となります。

つまり、営業利益率は16.6%になります。

50万円÷300万円×100=16.6%

2. 売上純利益(粗利)

次に「売上総利益(粗利)」に対する利益率を出していきましょう。

純利益を算出するためには粗利を明確にしておくことが重要です。

売上総利益(粗利)の考え方

売上総利益(粗利)とは

「売上高」から「売上原価(仕入原価)」を引いた時に残る利益

これを指します。

500円のコンビニ弁当には人件費、店舗運営費、水道光熱費に加え、仕入れ代(食材など)がかかります。経費が300円だった場合、粗利は200円です。

ここで粗利益率を出す場合は

200円÷500円×100=40%

このような計算方法になります。

正しい売上総利益(粗利)の捉え方

粗利とは、実際の売上から実際の売上にかかった原価を引いた数値のことです。

例えば、コンビニに弁当が10個並べられていたとします。

売上単価は一個当たり500円、原価は300円とします。

500円のコンビニ弁当を5個販売できた場合、単純計算で売上は2,500円の売上になります。

残り5個分は売れずに廃棄になってしまったとし、廃棄分の5個(5個×原価300円=1,500円分)はそのまま損失となります。

つまり、この場合は次のようになります。

売上(500円×5個)-原価(300円×5個-廃棄分300円×5個)=-500円

つまり、「廃棄があったことで赤字が発生してしまった」という結論に至ります。

顧客への購入を促す購買頻度の維持法

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購買頻度とは一定期間内に顧客が商品やサービスを購入する頻度を指しています。

ここまでお伝えしてきた顧客単価や利益率のような計算方法を学ぶことも大切ですが、平行して計画的に顧客当たりの購入頻度を高めていく取り組みも重要です。

購買頻度を高めるためにはサービスを利用する回数を増やすことが重要で、計画的に事業構築をする必要があります。

具体的には、

  • 2つの計画的陳腐化
  • 顧客の利用機会の拡大

この二つになります。

一つ一つかみ砕いてお伝えさせていただきます。

1. 2つの計画的陳腐化

購買頻度を向上させるためには、購買サイクルを短くする必要があります。そのための施策としてオススメなものが、

  • 機能的陳腐化
  • 心理的陳腐化

機能が劣化したり、心理的に「新しいものが欲しいな」と思える商品において、この二つの価値観は有効です。

例としては、車両の劣化やパソコンのバージョンアップ、新しいバッグが欲しい、使い古したシステムから新しいシステムに変えたいなどがあげられます。

2. 顧客の利用機会を拡大する3つの方法

顧客が商品を利用する機会を広げるためにオススメな方法が、以下の3つとなります。

  • 時間帯を広げる
  • 使う場所を広げる
  • 付加価値や利用を加えたイベントの開催

サービスを利用できる時間やシーンを多くしたり、使えるシチュエーションによって商品を体験したことによって手に入る未来を経験していただいたりすることが有効です。

車の試乗会やパソコンのDIY体験、または読書会を主催した速読教室などがこれに当たります。

つまり、いかにして商品やサービスを購入した先の未来を体験していただくか。

これが大切な価値観となります。

LTV(ライフタイムバリュー)で大切になる取引期間

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次に、取引期間についてお伝えさせていただきます。

取引期間を算出するためには、以下の二つの数値が重要になります。

  1.  顧客満足度
  2.  最低契約期間

ここではそれぞれの意味を見ていきましょう。

1. 顧客満足度

顧客満足度とは、企業の商品やサービスを通じて顧客がどの程度満足しているのかを示す度合いを指します。

つまり、想像よりもいいと思われた場合、顧客満足度が高まります。

顧客満足度が高まると、顧客がリピーターになりやすくなり、取引期間を長くすることにつながります。

2. 最低契約期間

サブスク(サブスクリプション=定期購読)で、何か継続購入されている方は多いと思います。

実は、販売者側によってある程度の最低契約期間が設定されています。

最低契約期間中には解約することができないようになっているものが多く、違約金が発生するものもありますが、近頃は「いつ退会してもいいですよ」とされるサービスも増えてました。

最低契約期間の制度の特徴としては、最低契約期間を長くしたプランほど安くなるように設定されることが多いです。

期間が長くなると解約を忘れやすくなるため、継続的に購入され続けるということも特徴の一つです。

LTV(ライフタイムバリュー)で見落としがちな顧客の獲得・維持コスト

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ここまで書いてきたことは利益に関わることを中心に紹介してきました。

実際には、顧客の獲得もしくは維持をしていくためにも費用がかかることも多いため、簡単に新しい事業に着手することは出来ないと思います。

コストとして代表的なものは、

  • 顧客に応対する人件費や店舗運営費
  • 集客に使う広告費
  • 新商品開発ならびに事業構築のための開発費

「売上を上げることを考えればいいだけであれば簡単だ」という経営者は多くいます。

大事なことは、いかにして発生した売上を守ったり、コストを最小限に抑える施策を考えるか。

この視点も本当に大切になると考えております。

最後に

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ここまでLTV(ライフタイムバリュー)の算出に関わる言葉についてお伝えしてきました。

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の計算での5つのポイントを改めて振り返りましょう。

  • 顧客単価
  • 収益率
  • 購買頻度
  • 取引期間
  • 顧客の獲得や維持にかかるコスト

LTV(ライフタイムバリュー)は次の計算式で求められます。

LTV=顧客単価×収益率×購買頻度×取引期間-顧客の獲得・維持コスト

LTV(ライフタイムバリュー)を維持するためにもそれぞれの要素が大切になります。LTV(ライフタイムバリュー)を高めようとするために顧客の獲得・維持コストが高くなりすぎると本末転倒です。

全体的なバランスを保つためにも、LTV(ライフタイムバリュー)の計算方法について、しっかりと習得しておくことをオススメします。

ラーニングエッジでは、今回のLTV(ライフタイムバリュー)の計算方法や価値観、受け止め方、ビジネスへの役立て方など、わかりやすく丁寧にお伝えしている講座があります。

事業構築やビジネスを進化させるためのマーケティング技法など、深い価値観を発信しております。

ぜひ気軽にご参加くださいませ。

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最終更新日: 2022/12/12 公開日: 2021/10/29