ニューノーマルとは?企業の変化や新たな働き方の課題と対策

最終更新日: 2021/10/12 公開日: 2021/10/12

従来から、ニューノーマルな働き方に取り組んでいる企業は多くありましたが、時代の流れが早く予測不可能な時代になっています。

現代では、新型コロナウイルスの影響で「非対面」「非接触」のなかで事業を行なっていかなければいけません。また、オンラインへのシフトにより働き方改革も重要視されています。

今回の記事では、ニューノーマル時代で企業はどのように変化したのか、新たな働き方の課題と対策を分かりやすく解説していきます。

ニューノーマルとは?

ニューノーマルとは、New(新しい)、normal(正常、正規、標準的)を組み合わせた造語です。今までの常識や常態、さまざまな活動、生活様式が新しいものに構築されることを意味します。

ニューノーマルは、2000年代からSNSやインターネットの普及により大きくビジネスや企業の働き方に変化が求めれたため、広まりはじめました。

従来の経済学やビジネス常識では通用しなくなってきた頃に使われるようになり、個人のライフスタイルにも使われるようになりました。

その後は、2008年〜2009年に世界的規模で景気の悪化・株価の下落をもたらしたリーマンショックが起きたことにより、さらに経済状態や価値観まで大きく変わりはじめました。

リーマンショックとは:2008年9月15日にアメリカ合衆国の有力投資銀行「リーマン・ブラザーズ・ホールディングス」が経営破綻し、それをきっかけに世界的な株価下落が発生し、この一連の金融危機全てを指します。

そこから現代では、新型コロナウイルス拡大の影響で、新たなニューノーマルな働き方が求められる時代に突入し始めました。

今までとは全く違う、感染予防を視野に入れた働き方とビジネス活動の両立を目標とした働き方改革が求められています。

従来との違い

上記のように、新型コロナウイルスの影響で、不要不急の外出禁止やマスクの着用、ソーシャルディスタンスなどが当たり前の時代になっています。

そのため大きな違いは、非接触ビジネスやオンラインでの業務が主流になり始めたことです。従来は、インターネットなどを利用し不景気な経済をどのように乗り越えていくかなどを軸にして、ニューノーマルな働き方の導入が進んでいました。

感染拡大の前から在宅勤務やテレワークを導入している企業は少数で、2021年1月頃の東京都新型コロナウイルス感染症対策本部が行った調査によると、

  • 300人以上の企業(230社)76.5%
  • 100〜299人の企業(107社)63.6%
  • 30〜99人(85社)47.0%

全体の割合で57.1%と半数以上の企業がテレワークに取り組んでいて、非接触ビジネスや対面での業務を避ける働き方に取り組んでいます。

更なるニューノーマルな働き方が起きている時代に移り変わり、企業は在宅勤務やテレワークでもオフィスと変わらず、業務を行える環境を整えることが大きな課題となっています。

企業の変化

ニューノーマル時代の大きなビジネス、企業の変化について解説していきます。

テレワーク・リモートワーク

ニューノーマル時代の働き方で最も大きく変化したのがテレワークへの移行です。

オンライン会議、チャットツールなど非接触でも情報共有や交換、コミュニケーションができるクラウドサービスを利用し、オフィスに出社しなくても出社したと同様の業務環境を整えテレワークを実現している企業が増えています。

テレワークやリモートワークの普及は、出勤時間や訪問先への移動時間の削減、交通費の削減、また場所に囚われないため多種多様な人材の確保(ダイバーシティ経営)などメリットがあります。

そのため、オフィスにいなくても仕事ができる環境になったことで、東京一極集中型から地方への移住する人が増え始めています。

国土交通省の調査によれば、ほぼ完全に在宅勤務が可能となった場合、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の東京圏在住の約4割ほどが引越しを検討したいと回答していることから、従業員のライフスタイルにも大きな変化が起きています。

さらに進んだ動きとして、ワーケーションやトラベルワーカーなどの新しい働き方改革を進めている企業もあり、今後は働く場所にとらわれないテレワークやリモートワークがさらに発展していくでしょう。

オンライン商談・営業・面接

テレワークだけではなく、商談や営業もオンラインで行われている企業が増えています。また、採用面接においてもオンラインへシフトしています。

上記と同様、移動時間の削減などによりコストカットができるといった業務の効率化はもちろん、離れた場所の企業にも営業ができるため大きなメリットがあります。

その一方で、コミュニケーションの重要度を求められている営業や商談に関しては通信環境が不安定、また対面していないため会話が聞き取りづらいなど情報が正確に伝わらない可能性が高くなってしまいます。

また、オンライン商談だと従来の営業ノウハウが通用しなくなってきています。対面商談や営業の時よりも、視覚情報が限られているため新たなノウハウを共有することが企業側に求められています。

DXへの取り組み

ニューノーマルの時代を生き残るためには、企業側はDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは欠かせません。

DXとは:データやデジタル技術を用いて顧客体験の向上を目指し、企業に収益をもたらす取り組みのこと。

従来では業務の効率化を目指し、デジタル化を推進している企業は多くありましたが、非対面が主流になった現代では、ただデジタル化を推進すればいいというわけではなくなりました

そのため、顧客とどのようにして向き合っていくかを並行してビジネスを行なっていかなければなりません。

顧客体験の向上や収益の向上も視野に入れ、DXの取り組みを行なっていかなければいけないことは、従来よりも更に求められています。

事業継続計画(BCP)の重要度

新型コロナウイルスが拡大することは誰もが予想していないことでした。豪雨や地震といった自然災害などもいつどこで起こるか分からない出来事です。

このような事態を想定し、事業継続計画(BCP)の重要度はかなり高まっています。万が一に備えた企業は損失なども少なく、事業継続の信頼度が高くなります。そのため、取引先としても選ばれやすいということになります。

リスクをいかに想定しながら最小限に抑え、事業継続性が高い経営体質になることは、ニューノーマル時代には求められています。

ニューノーマル時代の企業課題

ニューノーマル時代の働き方は、時代と共に急速に変化しています。

企業が抱えている課題や実施する対策について分かりやすく解説していきます。

やる気の低下

ニューノーマルな働き方は、テレワークやリモートワークが主流になっているため人と会うことが極限に減少してしまっています。

そのため、コミュニケーションが取れずにモチベーションが低下していることが大きな課題と言えるでしょう。

  • 一緒に業務達成の意欲を高め合う同僚がいないため集中力が続かない
  • オンとオフの切り替えが苦手
  • 上司や部下とのコミュニケーション不足から作業効率の低下
  • 仕事の重要性、成果の実感が感じられない
  • 仕事の全体感の把握が困難

といったことが原因で、やる気が低下してしまうことがあります。

働き方の自由度が高くなっている現代では、いつでもどこでも作業ができることは大きなメリットではあります。しかし、その分自身でスイッチを入れて、自身で集中することを心がけなければいけません。

対策として、従来と同様でどのようにコミュニケーションを向上させていく必要性が高まっています。そのため、webコミュニケーションツールを導入し目標やビジョンを共有していくことが最も重要です。

非対面が主流になった時代で、従業員同士がいかに一体感をなくさず日々必要な情報共有を行っていくかは、ニューノーマルな働き方の構築へと繋がっていきます。

既存事業の継続

引用:ニューノーマル時代における事業課題調査2021

ニューノーマル時代における事業課題調査2021において、企業に勤める正社員、役職者、経営者・役員の合計 1,000 名に絞り調査を実施しています。

既存事業の継続を課題としている企業は、26%にも及びます。新型コロナウイルスの影響で、大きく働き方が変わってしまい今までの事業をどのように継続すればいいのかは、大きな課題となっています。

働き方が変化すると、28.5%にも及んでいる人材の獲得、強化、育成に対して更に注力し、改善を行なっていかなければ事業を継続していくことは不可能です。

そのため、対策として上記のように人材の拡大や育成を行なっていくことが最も重要になります。

  • PCやweb知識に詳しい人材を探す、または既存メンバーを育成していくこと
  • できる限りの予算内でシステムの改善・導入

などを取り入れていき、既存事業の継続の課題を解決していきましょう。

健康経営の促進

引用:オムロン ヘルスケア株式会社 ニュースリリース
「テレワークとなった働き世代へ緊急アンケート」

画像の調査の結果から、テレワークが主流になった現代では健康面やメンタル面においての不調を伴ってしまう従業員が多いため、企業側は健康経営が新たな課題となっています。

非対面が主流になっていますが、従業員の健康状態や労働している時間を管理するシステムや仕組みがある企業は今でもかなり少ないです。

コロナ危機により、健康の意識は高まっているものの企業による健康への投資や公的保険外サービスの拡大を見直すとことは重要視されています。対策として、

  • ヘルスリテラシー向上による自発的な健康管理の呼びかけ
  • オンライン健康医療相談サービスを利用する
  • 上記を利用後、健康状態をデータ化し、改善のためのフィードバックを行う

など実施することで健康経営が促進します。

健康経営を促進することは、作業効率・生産性の向上、離職率の低下(優秀な人材の定着)、組織の活性化などがあります。また長期的な視点においても企業イメージの向上につながるため、企業にとって最重要です。

企業事例

ニューノーマルな働き方を取り入れ成功した企業をご紹介します。

ピクスタ株式会社

引用:ピクスタ株式会社
・リモートワーク手当の支給
・密なコミュニケーションを心がける

ピクスタ株式会社は、写真、イラスト、動画、音楽のデジタル素材オンラインマーケットプレイスを行なっているクリエイティブ・プラットフォーム事業を展開しています。

2020年2月18日からリモートワークを取り入れました。2月15日の週末に初めての感染経路不明者が出たニュースを知り、取り急ぎで経営会議メンバーのチャットルーム上で相談しました。その2日後にはリモートワークをスタートさせ迅速に対応しています。

幸いにも、海外拠点でやり取りを行うこともあったため、クラウドサービスやチャット、モバイル端末などが社内に定着していました。既存のワークスタイルがリモートに適した状態ではあったとのことでした。

しかし、家に「仕事に適したデスクがなく疲れやすい」「ネットの環境が悪くて仕事しづらい」など従業員から課題の声が上がりました。そこで、

  • 環境整備費用として1万円を2回、全社員に支給
  • リモートワーク手当として毎月1万円を全員に支給

などデスク環境への投資や水道光熱費の一部に使用するように対策を行なっています。

また、コミュニケーションを密に取ることを心がけています。1on1の時間を長めに取ったりするなど意識しています。

  • オンラインランチ会
  • 社長発案のオンラインお茶会
  • オンライン納会

数々の活発な取り組みを行っています。また試行錯誤しながら「社内ラジオ」など名付け、役員や社員の人がインタビュー形式の番組を目指し自由参加ではありますが放送しています。

株式会社mixi

引用:株式会社mixi
・マーブルワークスタイルの導入
・環境構築支援費

株式会社mixiは、日記、写真共有、ゲームや便利ツール満載のアプリで、共通の趣味や仕事を持つ同士が意見を交換したり、知り合いを紹介したりすることで、 新たな人脈作りやコミュニティに繋がるSNSです。

2018年頃から残業対策や育児・介護しながらでも働きやすい職場づくりといった働き方改革に取り組んでいてニューノーマルな働き方に力を入れていました。

また、2019年6月頃からリモートワークのテストを行ない、反応がよかったため育児介護中の社員を中心に実施していきながら、徐々に全社に開放していく予定でした。

その矢先に、新型コロナウイルスの影響で段階を踏んで進める予定でしたが、突然強制的に全社員在宅勤務になってしまいました。

リモートワークテスト段階と実際に取り組んだ意見として、

「メリットはわかるが、オフィスでみんなで楽しく働くことのほうが目指す姿だと感じる」

「リモートワークを実施してみて良い効果についても浸透してきたので、このまま制度化を目指したい」

引用:ザイマックス「強制在宅勤務でリモートワークの理解が進んだ」

と2つの意見に分かれました。そのため、リモートワークとオフィスワーク(出社)が混合している状態、マーブルワークスタイルを導入しました。

更に、定期代を中止した分を3月末に「環境構築支援費」最大2万円を支給にあてました。環境構築支援はスピードを重視し業務の生産性の向上、またコミュニケーションの質を維持・向上に気を配って制度の確立しています。

まとめ

ニューノーマルとは、今までの常識や常態、さまざまな活動、生活様式が新しいものに構築されることを意味します。

非接触ビジネスやオンラインでの業務が主流になり始めた現代では、利便性や効率化が進むなか、著しいコミュニケーション量の低下といった課題、また人材の獲得、強化、育成が難しくなっています。

健康経営の促進を視野に入れながら、事例であげた企業のように、

  • コミュニケーションツールの導入
  • マーブルワークスタイルを導入

などの働き方改革を取り入れ、ニューノーマル時代を生き残っていきましょう。

最終更新日: 2021/10/12 公開日: 2021/10/12