働き方の多様化で注目のデュアルライフとは?二拠点生活のメリット・デメリット

最終更新日: 2021/09/26 公開日: 2021/09/26

地方移住とは違う、新しい生活のスタイルとして、特に若い世代から注目を集めているのが、地方と都市の2つに生活の拠点を持つ二拠点生活です。

この二拠点生活のことを「デュアルライフ」と言い、デュアルライフを楽しむ人たちは「デュアラー」と呼ばれています。

中でも、組織に所属する会社員ではない個人事業主やフリーランスの間では、仕事をこなしながらも二拠点を移動できるデュアルライフはゆとりの持てる働き方として人気急上昇中です。

自由な暮らしのデュアルライフは憧れですが、実際に実現するとなるとデメリットもきちんと把握しておく必要があります。デュアルライフを検討する前に、知っておくべきメリット・デメリットをご紹介します。

働き方の多様化で注目されているデュアルライフとは

2つの地域を拠点に持つライフスタイル

デュアルライフ(Dual Life)のDualは「2つの、二重の」などの意味を持っていて、デュアルライフとは生活の拠点を2つの地域に持つライフスタイルのことを言います。例えば、

  • 平日は都心部で暮らし、週末や休暇は2拠点目に移動してオフの時間を楽しむ
  • 出社や打ち合わせが必要な日だけ都心部で過ごし、リモートワークの日や休日は自然豊かな2拠点目で暮らす
  • 夏の間だけ涼しい郊外の賃貸物件を借りて暮らす

などです。

現代社会は共働きが増え、郊外より合理的な都心生活が人気となっています。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により働き方や生活様式に大きな変化が起こりました。

華やかな都心で利便性の高い暮らしと、のんびりとした田舎暮らしのどちらも味わえるデュアルライフは、コロナ禍の影響もあり、ますます注目されるようになっています。

20代30代のビジネスパーソンにも人気

一昔前であれば、別荘地で休暇を過ごすのは金銭的・時間的に余裕のあるリタイア層や富裕層が中心でした。

ところが、平日に都会で働き、休日を自然豊かな地域で過ごすライフスタイルは、この数年の間で、富裕層だけの暮らし方ではなくなっているようです。

ある調査の結果では、デュアルライフを実践している人は、20代30代が全体の約半数を占めていて、世帯年収も800万円未満の家庭が約半数であるという結果が出ているほどです。

このように、デュアルライフは、特別な人たちだけが叶えられる生き方ではなく、一般家庭や若いビジネスパーソンでも実践できる新しい生活様式と言ってよいでしょう。

デュアルライフが向いている人は、

  • フリーランスや在宅勤務のテレワークなどで仕事をしている人
  • 個人事業主や起業家
  • 変化のある生活がしたい人
  • 都会も好きだけど田舎も好きな人
  • 田舎暮らしに憧れ、いずれ移住を夢見ている人

などです。

デュアルライフのメリット

日々の暮らしが充実し仕事の効率が上がる

慌ただしく過ぎていく都心の生活から、時間がゆったりと流れる田舎や郊外の暮らしは、心身のリフレッシュに最適です。

人間は「バイオフォリア」という動植物や自然を愛する性質を生まれつき持っているそうです。そのため、自然に触れると、何となく気分がスッキリする、というのは気のせいではなく、自然が体に良いことは科学的にも証明されていることなのです。

自然に触れることで、ストレスがかかっていても、そのストレスが軽減され心身がリラックスできますよね。精神的余裕が生まれることは、仕事のパフォーマンス向上にもつながるでしょう。

さらに、野菜やお魚など、新鮮な食材が安く手に入りやすいため、日々の暮らしも充実できるのも魅力です。

新たなビジネスチャンスの可能性がある

デュアルライフで都心部と地方・郊外を行き来することで、これまでには無かったコネクションができ、新たなビジネスチャンスをつかめる可能性も期待できます。

ネット環境とパソコン、スマートフォンさえあれば、どこでもビジネスが成り立つ時代です。田舎は都心部と違い競合が少なく、都心部では当たり前のサービスが提供されていないことも多いです。都会ではできないビジネスモデルの展開も夢ではありませんね。

  • 積極的に地域の活動に参加することで、地元企業とのつながりができる
  • 新たな人脈のひろがりで、新しいビジネスプランの構築やネットワークやコミュニティーの開拓にも役立つ
  • 都心部では溢れかえっているコンテンツも、田舎では競合が少なく売れるコンテンツが見つけやすい

などが期待できるでしょう。

趣味を思いっきり満喫できる

田舎や郊外は都会より季節を感じることができ、海・山・川があればそれぞれの恵みが魅力です。2拠点目に自然豊かな場所を選べば、都会ではなかなか実現できない自然と関わる趣味も、思いっきり楽しむことができます。

趣味の充実は、世界観が広がり人生をより豊かなものにしてくれます。これまで挑戦できなかった新たな趣味を持てることも、デュアルライフの魅力です。

災害時の避難先にもなる

生活の拠点が複数あると、台風や大地震などの災害に見舞われたとき、避難先として役立つこともあります。なかには、避難所として使えるか、という視点でハザードマップを参考に2拠点目の居住地を決めるデュアラーもいるようです。

いざというとき、生活拠点が別にあればスムーズに避難場所を確保でき、住み慣れた拠点での避難生活はさまざまな点で安心感があります。災害時の避難先として活用できることもデュアルライフのメリットの一つといってよいでしょう。

将来の移住先としての準備になる

田舎暮らしや地方移住への関心は若い世代でも年々高くなっています。特にコロナ禍で外出自粛やテレワークが増えたことで、これまでのライフスタイルや働き方を、改めて見つめなおした人も多いと言われています。

また、地方移住では「生活費低減」や「豊かな自然」など日々の暮らしが充実できるメリットも多くあります。ですがそうはいっても、いきなり知らない土地や田舎暮らしを経験したことがない人々には大きな決断です。

不安はあるけれど、いつかは移住を検討している、または、できる限り早く移住を叶えたい、という場合、デュアルライフは準備・移行期間として有効活用できます。

デュアルライフのデメリット

家賃や光熱費などが二拠点分必要

数々のメリットを持つ魅力的な二拠点生活ですが、デュアルライフの1番のデメリットは、家賃や光熱費などがダブルで発生することです。

賃貸物件の場合は初期費用として、敷金・礼金がかかります。そして、重くのしかかるコストとしては新たな家財道具や家電製品などが必要になることです。

また、ランニングコストとして、水道光熱費・通信費・火災保険や購入の場合は固定資産税などもかかってくるでしょう。

週末だけデュアルライフを楽しむ場合は、二拠点目の滞在日数が少なくなり、留守にする時間が多くなります。そうなると、防犯の心配も出てくるのでセキュリティ対策をしておく必要もありその分の費用も必要になります。

移動の時間と費用がかかる

二拠点生活のもう一つネックは移動の時間と費用です。実際にデュアルライフをしているデュアラーや以前デュアラーであった人のSNSを見てみると、移動にかかる時間と費用は、さまざまな面で負担になることが多いイメージです。

この問題の対策としては、拠点生活の距離や移動にかかる費用などを事前にしっかりと把握しておくことでしょう。

車の移動と公共交通機関を使った場合の時間と費用の違いや、移動中の時間を仕事の可処分時間として活用できるかどうか、なども確認しておきましょう。

生活の利便性

田舎や地方は自然豊かで食べ物もおいしく、物価も安い!など数々の暮らしを豊かにするメリットがありますが、一方で

  • 娯楽が少ない
  • スーパーなど商業施設・病院・銀行などが少なくアクセスしにくい

などがあげられます。どうしても生活の利便性は、都心に比べて落ちてしまいます。

仕事のスケジュール調整

移動に時間がかかるため、急な打ち合わせなどリアルでの働き方のスケジュール調整が難しいことも発生するでしょう。職種によっては、二拠点目に滞在中は受けたい仕事も受けれないこともあるかもしれません。

都心でするべきタスクと滞在中にできるタスクとを、きちんと切り分ける工夫も求められます。

デュアルライフをサポートしている自治体もある!

空き家の活用で社会貢献

近年では空き家が社会問題化しています。老朽化した空き家は倒壊の恐れや、景観の悪化、地域によっては雪の重みによる倒壊や落雪などが挙げられます。これらは近隣の住民には大きな被害をもたらす可能性があり深刻な問題です。

そんな問題を少しでも解決するため、空き家を格安で購入して、二拠点生活のデュアルライフをサポートしている自治体もあります。

空き家を探す方法として、自治体が運営する「空き家バンク」というWEBサイトの活用があります。例えば、空き家バンクの契約物件であれば補助金の支給を受けられる、というケースもあるとのことです。

自治体によっては地方と都市の両方の学校に通える制度も

デュアルライフは魅力的だけど、子供の就学問題は大丈夫なのか、という指摘もあります。この問題に関しては、デュアルライフで2つの地域を生活の拠点にする時の通学形態には、いくつかの選択肢があり、田舎と都会の両方の学校に通うこともできます。

地方と都市の2つの学校で、1つの学校と同じように教育を受ける仕組みの「デュアルスクール制度」を導入している自治体もあります。都市部の学校との連絡調整業務を行って、受入学校をサポートくれるそうです。

最後に

働き方の多様化で注目されている二拠点生活のデュアルライフ。リモートワークの導入で会社に出勤しないビジネスパーソンも増えてきたことで、デュアルライフを楽しむデュアラーは増加中です。

一つの場所に縛られない自由で新しいライフスタイルは、働き方を自分で決めていける個人事業主やフリーランスにはうってつけです。拠点が増えることで新しいビジネスへとつながるチャンスも広がるでしょう。

都心部の生活の他に、自然豊かな場所で暮らせることは、日々の生活が充実し人生を豊かにしてくれます。

一方、家賃や光熱費などの生活費は毎月2重で発生し、初期費用も必要になるなどのデメリットがあり、金銭的に余裕がないと継続するのが難しいケースもあります。

デュアルライフは勢いだけで始めず、メリット・デメリットをふまえ家族や周囲の理解を得てから始めましょう!

最終更新日: 2021/09/26 公開日: 2021/09/26