ストーリーテリングを使った効果的なプロフィールの作り方

最終更新日: 2022/12/14 公開日: 2021/08/03

「プロフィールを充実させて多くの人に知ってもらいたい」
「売上アップにつながる効果的なプロフィールを作成したい」
このように考えたことはありませんか?

見た人の心に響く効果的なプロフィールを作るには、ストーリーテリングを意識する必要があります。なぜなら、人は商品やサービスの背景にあるストーリーに心を動かされ、関心を寄せるからです。

しかし、「プロフィールにストーリーテリングの手法を取り入れる」と聞いても、いざ実践するとなると決して簡単ではないでしょう。

本記事では、効果的なプロフィールを作成するためにストーリーテリングを駆使する方法について解説しています。見る人の心に響くプロフィールを作成したい人は、ぜひ参考にしてください。

なぜあなたのプロフィールは響かないのか?

「渾身のプロフィールを作ったのに、どういうわけか見てくれた人に響かない」

なぜこのようなことが起こるのか、不思議に感じませんか?

広告やWebサイト、名刺、SNSに至るまで、いまやビジネスに取り組む上でプロフィールを掲載するのは当たり前になっています。商品を購入するにあたって、「どんな人が作っているのだろう?」「提供しているのはどんな人?」といった背景を多くの人が気にしているからです。

ところが、多くの人はプロフィールを作成する際、重大なミスをおかしてしまいます。たとえば、次のようなプロフィールは典型的な「良くないプロフィール」といえます。

  • 生年月日や出身地、学歴や職歴などを羅列している
  • 過去の実績を紹介することに終始している
  • 趣味や家族構成などを思いつくまま紹介している

どのプロフィールの書き方も決定的に見落としていることがあります。それは「ストーリーを語っていない」という点です。

人が「買ってみよう」と決断するとき、決定打となるのは作り手の実績や商品のスペックではなく、それらの背景にある「ストーリー」です。

ストーリーが抜け落ちているプロフィールは、読む人に「情報」として届くことはあっても、心に響くものにはなりません。プロフィールを作成する上でストーリーテリングは決して見過ごすことのできない重要な要素といえるでしょう。

ストーリーテリングの重要性

ストーリーとは?

ストーリーとは、端的にいうなら「自分の中にあるエピソード」のことです。個人的に体験したこと、感じたこと、それによってどのような思いに至ったのかを、物語として伝えることをストーリーテリングといいます。

エピソードといっても、「何年何月にこんな出来事があった」と事実のみを伝えるのではありません。ある出来事をきっかけにどんなことを思い、解決したいと考えたか。挫折や失敗を通じて何を学んだか。自分自身の経験を通じて、世の中にどのような価値を提供したいと考えるに至ったのか。こうしたことをエピソードとして語っていくことを指しています。

ストーリーテリングの効果

プロフィールにストーリーテリングの手法を使うことで、どのような効果を得られるのでしょうか。ストーリーテリングの主な効果として、次の3点が挙げられます。

見る人に共感をもたらし、記憶に残りやすくなる

個人的なエピソードであっても、同じような経験をした人や、似たような思いを抱いたことのある人は必ずいます。人は自分と同じように考える相手に惹かれる傾向がありますので、自分と似た経験を持つ人のプロフィールには親近感や共感を覚えるはずです。共感した記憶は強く印象づけられ、長く残りやすくなります。それは単なるビジネスパーソンのプロフィールという枠を超えて、あなたという「人」への興味へと変わっていくでしょう。

プロフィールの信憑性が高まり、動機づけにつながる

「なぜこの仕事をしているのか」「なぜこの商品を売っているのか」がエピソードから伝わることで、あなたのプロフィールはより信憑性の高いものとなります。他のどこにもない唯一のエピソードに惹かれた人は、たとえ類似商品が他にあったとしても「この人から買いたい」と考えるでしょう。このように、ストーリーテリングはプロフィールの信憑性を高めるとともに、見込顧客が「商品を購入する」「資料を取り寄せる」といった具体的な行動を起こす動機づけにつながります。

あなたのファンを増やし、差別化を図ることができる

あなただけが持つ固有のストーリーに惹かれた人はあなたのファンになり、継続的に支持者となってくれる可能性があります。こうしてファンが増えていくにつれて、商品ごとに購入を検討するのではなく「あなたが勧めるから買いたい」と思ってくれる顧客層が形成されていくでしょう。ファンの存在は、商品力のみで勝負するよりもはるかに強力な差別化戦略となり得るのです。

ストーリーの事例紹介

ブレイク・マイコスキー氏「裸足で暮らす子どもを救いたい」

TOMS Shoes創業者のブレイク・マイコスキー氏はアルゼンチンを旅行中、靴を履かず裸足で生活する子どもたちを目の当たりにします。「裸足で生活する子どもたちを救いたい」という思いから創業したTOMS Shoes。同社の利益のうち3分の1は発展途上国の生活環境向上のために活用されており、消費者は快適な靴を手に入れつつ、社会に貢献していると実感できる仕組みになっています。自らを「CSG(Cheif Shoe Giver・最高靴寄贈者)」と名乗るマイコスキー氏が創業時に抱いた問題意識は、連綿と続くストーリーとなって今も世界中の人々の共感を呼んでいるのです。

秋元里奈氏「農業の流通問題を解決したい」

農家で育った秋元氏は新卒でDeNAに入社しますが、実家が農家を廃業したと知り、荒れ果てた生家の畑を目にしてショックを受けます。野菜の小売価格のうちわずか3割程度しか生産者に還元されていない流通の仕組みに疑問を感じた秋元氏は、生産者のこだわりが正当に評価される仕組みを作るべく、株式会社ビビッドガーデンを創業。生産者の粗利80%を実現する直販サイト「食べチョク」は、小規模な農家の思いやこだわりを消費者に届ける仕組みとして注目されています。生産者の「人となり」を感じてほしいという秋元氏の思いは、生まれ育った環境と深く関わるストーリーとして多くの人の心に届いているのでしょう。

ストーリーテリング導入の3ステップ

1. 人生の棚卸しをする

ストーリーテリングの第一歩は、自分自身のこれまでの人生を振り返り、経験したこと、見聞きした出来事を棚卸しすることから始まります。一例として、次のようなことを思い出して箇条書きにしていきましょう。

  • 過去に嬉しかったこと・悔しかったことは何か?
  • 強く印象に残っている体験は何か?
  • 感銘を受けた光景や言葉はあるか?
  • 世の中の不条理を感じたことはあるか?
  • できれば解決したいと思うことはあるか?

人生の棚卸しをする段階では、思い当たる過去の経験はごく個人的なことで問題ありません。重要なのは、自分にとっての真実を包み隠さず書き出すことであり、本心からそう思えるかどうかなのです。

2. ストーリーを抽出する

あなたの人生の上位3%は何か

書き出した過去の経験のうち「上位3%」と思われる要素を抽出していきましょう。「あの出来事は最高だった」「自分にとって大きな転機となった」と感じられる場面を思い出し、そのときの具体的な状況や感じたことを整理します。また、当時どのようなことに気づいたのか、後から振り返ってみると何を学んだといえるのか、具体的な言葉にしていきましょう。

あなたの人生の下位3%は何か

ストーリーにおいて重要な意味を持つのは、「非常によかった」「素晴らしかった」といった成功体験だけではありません。これまでの人生において「最低だった」「もう二度と経験したくない」と思えるような下位3%の経験も、ストーリーを形成する上で重要な役割を果たすことがあります。なぜ最悪だと感じたのか、当時の状況や感じたこと、そこから得た学びや教訓を振り返り、書き出していきましょう。

3. ストーリーを繋ぐ

書き出した上位・下位3%の経験は、一貫性のない独立した出来事に見えるはずです。しかし、あなたという同じ人が体験したことであり、感じたことや学び取ったことの中には共通する事項が見つかることがあります。あなたの主観というフィルターを通じて経験どうしを繋げていくことは、ストーリーを紡ぐ上で非常に重要なプロセスといえます。それらの経験を通じて今のあなたがあるわけですから、それぞれの経験が現在にどう繋がっているのかを多面的に捉え、ストーリーを繋いでいきましょう。

今からできること

いつでも語る

プロフィールを作成するためだけにストーリーテリングを活用しようとする人がいますが、これではストーリーの価値は高まりません。SNSやブログなど、自らの思いを発信できる媒体を通じて常に語っていくことが、ストーリーを補強し説得力を持たせる上で重要になります。思いを発信する際には、プロフィールに掲載するストーリーとの関連性を意識し、一貫性をもたせることがポイントです。常に言い続けていくことで「この人は本心から言っている」「本当にそう思っているようだ」と感じてもらうことができ、プロフィールのストーリーがより信憑性を帯びるはずです。

伝わる言葉、響く言葉に変換していく

せっかくストーリーを駆使したプロフィールを作成しても、多くの人に届けることができなければ意味がありません。自らの思いや伝えたいストーリーを「伝わる」「響く」言葉に変換する必要があります。言葉の選び方には十分な時間をかけ、「どんな言葉であれば伝わるか」を常に考え続けていきましょう。

ただし、伝わる・響く言葉に変換することと「万人受けする言葉」にすることは本質的に異なります。ストーリーは個人的な経験に根ざしているからこそ価値があり、どこにでもあるような当たり障りのないストーリーは誰にも響かない可能性があるからです。ことわざや故事成語といった広く知られた言葉を使ってしまうと、自分らしさやオリジナリティが失われる原因になりやすいため注意が必要です。

アップデートし続ける

プロフィールは「過去の経歴」と捉えがちですが、新たな経験をするごとに記載すべき事項は増えていきます。ストーリーの価値は「現在」と繋がっていることにあるので、作成したプロフィールを常にアップデートしていくことは非常に重要です。最近の出来事にも触れられているプロフィールにはリアリティがあり、現在進行形の「生きた」情報として届きます。いったんプロフィールを作成したら放置するのではなく、常にアップデートし続けて最新の状態を保つようにしましょう。

まとめ

プロフィールにストーリーテリングを駆使することの重要性について解説してきました。ストーリーテリングの手法を使うことで、プロフィールの説得力や信用性を高め、共感を呼びやすいものにすることができます。

ストーリーは人の記憶に長く残りやすいため、ファンを増やしていくことにもつながるはずです。プロフィールを作成する際は、ぜひストーリーテリングを意識して取り組んでください。あなたのストーリーに惹かれた人が、将来にわたってあなたの支持者になってくれる可能性は十分にあるはずです。

セミナーズ通信

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最終更新日: 2022/12/14 公開日: 2021/08/03